近現代史記事紹介-10

 

■ ドラッカー学会、糸島大会について

 

私が気に入ったFBコラムから学んだこと

ドラッカー学会、糸島大会について・岩崎駿介氏の紹介記事

 

紹介の、岩崎夏海氏の「もう、始まっている未来」のなかの、

「能力主義化」、「非言語化」、「個人主義化」の3つの見解は、非常に興味を引く内容でした。

今後世の中はどう変わっていくのだろうか?

2024/09/16

 

建築家、都市デザイナー、NGO活動家 岩崎駿介氏 
建築家、都市デザイナー、NGO活動家 岩崎駿介氏 

 

岩崎 駿介(いわさき しゅんすけ、1937年 - )は、日本の建築家、都市デザイナー、NGO活動家、政治家。息子の岩崎夏海は放送作家。東京生まれ。父は岩崎書店創業者・岩崎徹太。兄は精神科医の岩崎徹也。慶応義塾高等学校卒業後、東京藝術大学美術学部建築科へ入学。大学卒業後、建築設計事務所を2年間経営した後、アフリカ・ガーナの国立科学技術大学専任講師、そしてハーバード大学デザイン大学院都市デザイン専攻留学。1969年横浜市役所企画調整局・都市デザインチームのチームリーダーとなる。1979年、国連アジア太平洋経済社会委員会のスラム課長。1982年、筑波大学助教授。1981年から1993年まで 日本国際ボランティアセンター代表。1993年から1998年まで環境問題政策提言NPO「市民フォーラム2001」事務局長及び代表。

 

ドラッカー学会、糸島大会について

岩崎駿介 2024/09/13 FB投稿

 

ドラッカー学会、糸島大会・・・Drucker Society of Japan, Itoshima Conference!

僕と美佐子は、息子:岩崎夏海の招待で今日からこの学会に参加する。今回は息子が実行委員長を務め、「もう、始まっている未来」と称して、これから世の中はどのように展開するかが議論される。僕は、三年前にこの学会で話させてもらったので今回は出番はないが、以下に述べる息子の意見に従って、どのような議論が交わされるかに興味がある。

 

以下、岩崎夏海の文章より抜粋・・・・・ぼくがお裾分けできる「知見」とは何か? それは、今のところ以下の三つとなる。

 

 

その一「社会の『能力主義化』」

 

インターネットとスマホの普及、それに伴うグローバル化で、これからの社会は日本のみならず世界でナンバーワンにならないと生き残れないようになった。だから、何かの仕事をするなら世界ナンバーワンを目指さなければならない。もし既存の分野で世界ナンバーワンになれない場合は、新しい分野を作らなければならない。だからぼくは、『もしイノ』で「新しい分野の作り方」を書いた。

 

この「競争の激化」と「イノベーション」が不可避となった状況において、社会は圧倒的な「能力主義」となった。つまり、能力に秀でた者がどこまでも有利な社会になった。特に知能に秀でた者が有利な社会になった。これはサンデル教授の本『実力も運のうち 能力主義は正義か?』にすでに書かれていて、ぼくが言い出したことではない。しかしまだ気づいていない人が多いので、あらためて伝えたい。

 

特に、教育関係者に伝えたい。能力主義社会は言い換えると「知能社会」である。そして知能はほぼ生まれつきの才能で決まる。そのため、知能に秀でていない者がいくら勉強しても、役に立たないどころか害悪なのである。人生を狂わす。

 

だから、これからはほとんどの子供が勉強してはならない。これはけっして冗談ではない。勉強は、ほんの一部の生まれつき知能に優れた者だけがすればいい。それ以外の人間は、それぞれの得意分野で世界一を目指すべきである。勉強などはさっさとやめるべきだ。この考え方は最近熊本県知事が提言して大炎上したものと似ているが、やがて皆が真剣に向き合わざるを得なくなるものだ。

 

 

その二「社会の『非言語化』」

 

今もうすでにそうなっている部分も大きいが、これからの社会において、情報の主役は「言語」から「非言語」へと移行する。なぜなら、言語の「価値」がほぼゼロにまで下がるからだ。そのため、たとえ言語に秀でていても、何の利益も得られない社会が来る。

 

なぜかというと、AIが登場したからだ。また、それ以前に登場したインターネットも、そうした傾向を強めた。このインターネットとAIによって、「言語」で得られる情報の価値がほぼゼロになったのである。それらはいずれも、ネットで無料で取得できるようになった。

 

例えば、「旅行ガイド」というものの価値がゼロになった。それまでは本屋さんでしか買えなかったものが、今はネットでタダで、本屋で買う以上に新しくまた詳しいものを得られるようになった。

 

一方で「旅行そのもの」の価値は逆に高まった。なぜなら、それは「非言語」だからだ。おかげで、旅行者は世界中で増えている。あるいは、オンラインで聞ける音楽の価値がゼロになった。ほとんどのミュージシャンは今、新曲をオンライン販売するのではなく、タダでYouTubeにアップする。

 

その代わり、ライブの価値は桁違いに上がった。これも、非言語コミュニケーションだからだ。そういうふうに、言語情報の価値が下がることで、相対的に非言語情報の価値が高まったのだ。

 

これの皮肉な決定打が、コロナによるリモートワークの普及だ。リモートワークが一旦定着したことで、逆にその限界が見えてしまった。そうして、一部の企業ではリモートワークの禁止を打ち出し始めた。

この流れはまだ主流とはなっていないが、今後は不可避的に広まるだろう。なぜなら、旅行ガイドやインターネット上での音楽販売がタダになったように、いずれリモートワークでできる仕事の価値もゼロになると予測されるからだ。それらはほどなくしてAIが代替するようになる。そうなると、人間に残された仕事は旅行先やライブ会場のような「現場」にしか残らない。

 

 

その三「社会の『個人主義化』」

 

上記二つのことが相まって起こるのが社会の「個人主義化」である。逆にいうと「組織が不必要な社会の到来」だ。

 

10年ほど前、Googleから『ワーク・ルールズ!』という「人事論」の本が出た。これによると、Googleという企業が最も力を入れているのが「採用」で、そのためにあらゆるリソースを傾けているという。それは、ITの世界では優秀な人材こそが飛び抜けたサービスを生み出すという経験則からである。実際、Googleの有名なサービスは、どれもチームではなく一人の優れた個人が生み出してきた。

 

だから、Googleは優れた個人を雇うために、あらゆる手段を講じてきた。ところが、それから10年が経過した今、Googleのその取り組みがどうなったかというと、完全に失敗したのだ。いまだに苦しんでいるというより、以前よりずっと苦戦するようになった。なぜかといえば、この10年で優秀な人材ほど辞め、優秀ではない人ほど残るという負のサイクルが加速したからだ。

 

Googleに限らず今、優秀な人ほど組織には残らず、個人で会社を立ち上げる。組織にできることは、わずかに出資することだけである。なぜそうなったかといえば、今のインターネット時代、優秀な人は組織に所属する必要がなくなったからだ。というのも、優秀な人ほど一つの能力ではなく、複数の能力を持てるようになったのだ。

 

それは、インターネットが登場したからだ。インターネットで、言語情報がただで流通するようになった。すると、優秀な人ほどそれを活用し、複数のスキルを伸ばすようになったのである。

 

その象徴的存在が大谷翔平である。彼が最も優れているのは「成長力」で、そこでは実はインターネットが大きな役割を果たしている。インターネットによって有用な情報をタダで得られるようになったため、それを十全に活かすことで、一人で何役もこなせるようになったのだ。

 

ドラッカー学会糸島大会では、この三つの社会現象について学ぶ。すなわち「能力主義化」「非言語化」そして「個人主義化」である。これらの社会現象とその対処方法は、実はドラッカーの『マネジメント』には書かれていない。いずれも「その先」の話である。

 

ドラッカーは『マネジメント』において、知識社会の「到来」を書いた。しかし上記の三つは、いずれも知識社会の「終焉」にかかわることだ。ドラッカーが『マネジメント』を書いたのは、20世紀中盤、社会の中心が「ブルーカラー」から「ホワイトカラー」へと移行したからだ。しかし2024年の今、社会の中心は「ホワイトカラー」から「ノーカラー(ティーシャツ)」へと移行しつつある。そうしてホワイトカラーの知識人たちは、ゆっくりとしかし確実にその居場所を失いつつあるのだ。

 

そんなノーカラー時代の到来に際して、我々はどうすべきか? それを今、あえてドラッカーの思考の枠組みで考えるのが、ドラッカー学会糸島大会のテーマである。

 

 

 

岩崎駿介2024/09/14 FB投稿

ふたたびドラッカー学会について---

 

今朝、お知らせしたドラッカー学会への息子:岩崎夏海の意見、すなわち能力主義化、非言語化、そして個人主義化の三つに対して、僕は以下のように考えます。

 

まず第一の能力主義については、資本主義ではなく能力主義、つまりいくら金を持っていても役立たず、能力があるかないかが決定的に重要な役割を果たすということを意味する。昔は馬鹿でも金さえあれば何とかなったが、能力が無ければたちどころにすべてを失う。したがってこの意味において社会は平等になる可能性がある。また、能力主義化により資本主義システムは終焉する可能性がある。

 

第二の非言語化については、まさにその通り。僕は昔から一語一絵、一つの言葉に一つの「絵」をと主張してvisual commnication(視覚的交流)を重視している。僕はなぜか小さい時から文章を読むのが苦手で、人の名前も発音より文字の形で覚えている。息子は非言語の典型として空間をあげているが、この空間こそ僕の記憶原点です。 視覚的情報交換は、一瞬にしてすべてを理解し、結果的に情報量が多い。

 

第三の個人主義化については、何より今や組織、集団、グループではなく、抜きん出た個人の能力によってことが決まるということを意味している。この意味で組織の重要性を説いたドラッカーの趣旨とは異なるが、それが現実であることを理解しなければならない。しかし本来、人と人との関係は人間にとってもっとも重要であり、個人主義化が深まるにしたがい、より好ましい人間関係が成立すると思う。

 

 

放送作家、小説家 岩崎夏海氏 
放送作家、小説家 岩崎夏海氏 

 

岩崎 夏海(いわさき なつみ、1968年7月22日 - )は、日本の男性放送作家、小説家。東京都新宿区で生まれ。父は筑波大学元助教授でアーバンデザイナーの岩崎駿介、祖父は岩崎書店創業者の岩崎徹太、伯父は精神科医の岩崎徹也。バンコクのインターナショナル・スクール、バンコク日本人学校で学ぶ。1982年1月に帰国して中学1年時の3学期に茗溪学園中学校へ編入。卒業後、東京芸術大学美術学部建築科で学ぶ。大学卒業後は秋元康事務所前身のソールドアウトで秋元に師事した。放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』『クイズ赤恥青恥』などのテレビ番組制作に参加し、2005年から2007年までAKB48アシスタントプロデューサーを務める。2007年12月に秋元康事務所を退職し、株式会社インディソフトウェアでゲームやウェブコンテンツの開発に携わり、2009年4月から吉田正樹事務所に所属して文筆作家として活動する。2009年12月に『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を発売し、2011年4月からNHK総合でアニメ版が放送され、6月にAKB48の前田敦子が主演する映画版が公開された。祖父が創業した児童書出版社岩崎書店で、2016年に叔父の岩崎弘明から引き継ぎ社長に就いたが、2018年に退任した。

 

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